⑩買ってしまう理由

 財布の紐を握っている主婦として、いくら好きになったとはいえ、アホみたいに金は使えない。そこまで盲目になれない。せめてクオリティに納得がいかなければ。

 

 その点で、WESTの楽曲もライブDVDも雑誌の記事内容も、質がねぇ、良すぎるねん。

 

 歌がうまいのはもう言うまでもなく、彼らはラップと英語の発音まで良かった。学生時代から英語には細々と関わってきたので、英語の発音下手なアーティストとか見ると、本当に嫌だった。どんなに他の歌がうまくても、それで急速に冷めてしまった。WESTに関しても、きっとそのあたりで多少なりさめるんだろうなと思ってたんだけど。冷めるどころか大好きになった。リズム感、滑舌、ラップだからこそのちょっとアクのある感じの言い回し。最高にツボだった。神ちゃん、流星君のラップが特に好きだけど、全員ラップできる。小瀧君の声質ってラップ合うんかなって思ったけど、いざ聞いてみると、「アリやん!」って思った。

 

 ジャニーズはハモリもラップも、普通グループに上手い人が1人2人いるぐらいだと思ってたけど、ここは全員できる。若干の差こそあれ、できない人がいない。音感もある。

 

 雑誌は、ドル誌のような「カッコいいやろ」「かわいいやろ」だけを摂取したらいい雑誌でも、彼らのインタビューがすごくいいから、手に入れたくなる。好きな言葉は?ていう特集記事で、他のグループの若い子達が「努力」とか「焼肉定食(的なふざけた系のやつ)」みたいな答えを書いてる中、チャップリンの言葉を書いた流星君と、確かウォルト・ディズニーの言葉を書いた小瀧君が、変に目立っていたのを思い出す。彼等もうあの雑誌のああいう特集には毛色が違いすぎる(大人過ぎる)んじゃない?って感じたな。でもアイドルやもんな。むしろあそこにフィットするのが事務所にハマる子達なのかしらと思ったら、しゃべくりで言っていた「事務所にハマってない」と嘆いていた意味もわかる。

 

 ハマってないというより、枠をはみ出してるだけやと思うけど。良い意味で。

 

 演技も、全員できる。それはデビュー時のなにわ侍というDVDを観て知った。今は俳優業でも好調なWESTだけど、さすがにデビュー時は「ヘッタクソやなw」「たどたどしいのが初初しいな」って多少なり感じるだろうと思ってたんだけど。

 

 めっちゃお芝居も歌もうまかった・・・デビューの時点で。。。ぐうの音もでなかった。誰一人棒の人がいない。音痴もいなければ棒もいない。顔もいい。ダンスも上手いし面白い。

 

 ホント事務所の人は目と耳があるの?WESTだけ見えてないの?(毒舌ごめんなさい)

 

 なんで彼等に気づけないかというと、本当に、露出とプロモーションが少ない。もったいない。もっとわかりやすい時間にわかりやすくテレビ番組に出ていれば、それなりに認知されるだろうに。自分がDVDやCDを買うのは、「買わないと享受できない」みたいな部分もある。だってテレビでそんなにしょっちゅう見れないんだもの。お金を出さないと楽しめないんだもの。パラビのパパジャニもNetflixのよだかも有料コンテンツだし。多くに行き渡るには、やっぱり無料で誰でも見れるデバイスじゃないと、限界があるんだよな。

 

 それでもお金を出しても見たい聞きたいと思うのは、お値段以上のコンテンツだし、何より元気になれるから。母親のメンタルが不調だと現実問題、家庭がまわらない。余裕がなくなって子供や旦那に優しくなれなかったり、それで関係が崩れたり。そういうほころびから体調まで影響が出たり。悪循環に歯止めが効かない。私にとってはそれがWESTだったけど、他に元気をもらえる何かがあれば、それってすごく重要だなと思っている。だから、そこにお金を出すことは、節度や工夫を持ってやりくりできる限り、有効な手段だと思っている(正当化に成功)。家族の精神衛生って本当に大事だと思う。体調崩れたら医者に行くのもお金かかるやん。大人が内科かかったら結局2〜3000円くらい飛ぶやん。この一年、自分が体調崩すことが本当に減ったのは、偶然じゃないと思っている。

 

 お仕事や学校頑張っている人たちもそうじゃないかな。彼等の正のエネルギーはすごく力をくれる。辛い時、踏ん張りたい時、彼等の音楽や番組が励みになっているはず。グループの色なのか、応援歌やメッセージ性のある歌が多いよね。歯の浮くようなセリフの恋愛ソングが少ない。恋愛はなぜか妖しげとかドSとかアカン恋愛とか切ない系。なんでかな(笑)。センターの重岡くんがかっこつけるの嫌いやからかなぁ・・・親友のN君みたいに開き直られへんのかもな(それもまたよし)。

 

 一度、お金を出しても見たい!と思ったらそこから私のように恐ろしいスピードで沼落ちする人は多いみたいだけど、いかんせん「お金を出しても見たい!」ところまで人に思わせるまでの導線が、弱かった。ついこの間まで。でもここにきてちょっと状況が変わりつつある気がする。